SLAM DUNK(スラムダンク)山王戦・桜木再出場~追い上げまで 28巻の感想やレビュー

[著:がく(副管理人)]

スラムダンクレビューその13、
湘北対山王戦後半の桜木の再出場から追い上げまでの内容です。
単行本における28巻の内容となります。

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あらすじ・概要

後半開始から山王のフルコートプレスディフェンスもあり、
赤木も完全に抑えられノーゴールが続く湘北。

一気に20点以上離され、勝負が決まったと会場の誰もが思う中、
一縷の望みを託し安西先生は桜木をコートに送り出す。

オフェンスリバウンドを託された桜木は
ベンチの面々の期待も一身に受け、再出場。

対河田で集中力を欠く赤木にカンチョーをかまし、
更にはコート横の机の上に上がって、
「ヤマオーは俺が倒す」と会場に向かって言ってのけるのだった。

ついに桜木が始動します。
前半も対美紀男で大活躍でしたが、桜木の本領発揮はここからです。
スポーツ漫画では王道ですが、ピンチからの大逆転劇は非常に熱い展開ですね。

また桜木がゲームを動かし、それに奮起され他のメンバーも
いいリズムになっていくのが読んでてコチラも熱くなるところです。
あの桜木がここまで・・・と思わずにはいられません。

尚、今回は丸々28巻の内容のみとなります。
区切り的にも丁度良かったので。

オフェンス・リバウンド

ベンチから望みを託され、再び出てきた桜木。
ヤマオーは俺が倒す!と吠えた後、他のメンバーにも
これで勝つしかなくなったぜと不敵な笑みをこぼします。

ここの桜木がまたカッコイイですね。
特にシロートだからよ、の部分はシビれます。
これについては山王側の態度合わせて名台詞・名シーンにて後ほど。

さて、オフェンス・リバウンドを託された桜木ですが、
その前に立ちはだかるのは
リバウンド力を買われてスタメンとなった野辺という男。

野辺はスクリーンアウト(リバウンドのポジション取り)が上手く、
これまでも桜木は中々リバウンドを拾わせてもらえませんでした。

頭脳プレー

野辺を如何に突破するかを考える桜木ですが、
その考えがまとまらないうちに流川がシュート。
マークが厳しく、落ちます。

相変わらずスクリーンアウトが上手く、
ポジションが取れないままリバウンドを迎えた桜木が取った手段は
なんと野辺のユニフォームを引っ張ってのリバウンド阻止でした。

当然バレたら反則ですが、バレなければ問題なし。
ある意味機転の効いたこのプレーで桜木はリバウンドを取り、
ようやく湘北の後半初ゴールを決めます。

ここまで後半は点が一切入ってなかった事を考えると、
本当に大きな一本でしょう。

スポーツっていうのは攻めに回れないと、点が入らないと
悪い流れが更に悪くなる悪循環を生みやすいですからね。

こういう流れも含めて描かれている部分が
スラムダンクのリアリティに繋がっているところだと思います。

宮城の喝と頭脳プレーその2

お次はディフェンス、三井は前半のディフェンスが効いて
もう足が動かず、エースに近い実力の松本に抜かれます。

その先には赤木がいるかと思いきや、
赤木は河田に意識が向いていて、ゴール下ががら空きに。

流川がヘルプに入り、パスを出させたところを宮城がカットして、
何とかこの攻めは回避に成功。

宮城が赤木・三井に向かって「流れは自分たちで引き寄せるもんだろ!」
と喝を入れますが、動ける面子は最早残されておらず。
仕方なく宮城は得意ではないロングシュートを打たされます。

この宮城の喝は彼の成長が見えるシーンですね。
海南の牧もそう言っていることからもよくわかります。

山王戦通して、桜木を除くと、悪い流れになりながらも
湘北をギリギリ引っ張っていたのは宮城が居てこそです。

強豪と渡り合う中でPGとしての実力を
しっかりと付けてきたことがうかがえるシーンですね。

宮城が打ったシュートは外れるものの、
そこからは桜木の戦場に。

今度はユニフォームを引っ張るフリをして
相手の気を紛らわしたところでポジション取り、
トスするような形で落ちたシュートをそのままゴールに入れます。

これは河田が自分のシュートが落ちた時にやっていたもので、
桜木も「真似させてもらったぜ」と。
試合の中でもドンドン吸収して成長している証です。

桜木の真のリバウンド

しかしここまでのリバウンドは取らせてもらったようなもの。
安西先生の桜木投入の真意はここから明らかになっていきます。

赤木は河田戦に意識過剰になっており、
試合の流れは愚か、状況すらも見えておらず。

全然入りそうにないテキトウなシュートを打つという、
赤木とは思えないようなプレーをします。

当然落ちるわけですが、桜木の真のリバウンドがここから。

スクリーンアウトでポジションを取るのは野辺相手には厳しいので、
もうそのまま後ろから飛ぶ桜木。

一度目のジャンプで野辺より高く飛び、ボールだけを弾き、
二度目のジャンプでまた高く速く飛びリバウンドを押さえるというもの

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2度めのジャンプでリバウンドをモノにする桜木。

高さも勿論そうですが、何より二度目のジャンプの速さが
桜木の運動能力の恐ろしさを物語っています。
高いジャンプを瞬発的に連続で行うわけですし。

安西先生は「それだ!!」と身震いしていますし、
野辺は「なんで!?」と驚愕の色を隠せません。

これは自分で放り投げたボールを一回全力ジャンプして弾き、
もう一回全力ジャンプして取るというイメージをすれば、
どれだけ恐ろしい事か分かると思います。

ちなみに自分は実際に試した事がありますが、
とてもじゃないですが最大限のジャンプじゃ連続は無理でしたw

このシーンに限らず、ついつい真似して見たくなるプレー
スラムダンクは多いですよね。
多分私のように真似したことある人もいるのでは?

赤木と三井

桜木渾身のリバウンドでボールは押さえますが、
流石にすぐに囲まれて、桜木は赤木にパス。

赤木はフリーなのにもかかわらず、
全国制覇の文字を脳裏に浮かべつつ一瞬躊躇。

何とかダンクに行くものの、河田が下に居るのに意識がいってか、
そのまま倒れてオフェンスチャージング。
朦朧とする意識の中で見えたのは魚住の姿でした。

魚住の伝えたかった事

赤木が倒れた上で魚住が取っていた行動は
まさかの大根のかつらむき
板前の格好で大根をむく姿にコート上は騒然。

当然警備などが出てきて、魚住は連れて行かれますが、
その前に赤木に一言残していきます。

華麗な技を持つ河田は鯛(タイ)・・・
お前に華麗なんて言葉が似合うと思うか、赤木
お前は鰈(カレイ)だ、泥にまみれろよ

安西先生も解説してくれますが、
大根のかつらむきはそれを細く切ることで
刺身のつま(横に添えられている大根の細切り)ができます。

つまり赤木は引き立て役になることが出来る
と魚住は伝えたかったのです。
これは魚住自身が陵南で実際にやっていたプレーですし。

赤木が河田に勝てなくとも、湘北が山王に勝てないわけではない、
ようやく理解した赤木は遂に目が覚め、雄叫びを上げ気合を入れ直します。

再び切り込んで来た松本に対しても、
キッチリゴール下の番人らしくブロックに。

松本はダブルクラッチでかわしますが、
後ろから出てきた桜木がブロック
桜木投入の目的はリバウンドのみならず、の安西先生の言葉が浮かぶ場面です。

三井の3P

赤木が目が覚めた頃、もう一人不気味な表情の男が居ました。
へばりにへばって、顔色も悪くなってきている三井です。

マークしている松本が不安に思うほど、
三井はへばりきっていて、満足にプレー出来るとは思えないほど。

しかしそうやって松本の気を引いたところで
赤木がスクリーンを上手く行い、フリーで3Pを打ち、決めます。

ここで赤木と三井の1年の頃の回想が入るのが心憎い演出ですね。
木暮くんの名言と共に詳しくは後述。

三井のスリーで10点台の点差にしたものの、
深津が実に嫌なところでキッチリスリーを決め返し、再び点差は20点に。
こういうところが深津の怖さであり凄さです。

ですが、再び三井が赤木のスクリーンを利用してスリーを決めます。
もう走る事も抜く事も出来ない、俺にはリングしか見えねえ
そういって放つ三井がまたカッコイイ

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ここの三井が特にカッコイイです。そして描き込みがここに限らず山王戦はパネェっす。

信頼

次もまた同様に三井がスリーを打ちますが、
今度は流石にディフェンスがついており、フォームがバラバラ。

リバウンドさえ取れば山王にはむしろ楽な攻めですが、
そこに立ちはだかるのが桜木

先ほど見せたジャンプでボールを弾くリバウンドを
野辺と河田、二人を相手に3度のジャンプでやってのけ
リバウンドを拾い再び三井へパス。

三井は再度スリーを放ち、これを決めて点差は14点に。

ここで海南の監督から語られる信頼の話がまた好きな部分です。

赤木がスクリーンをかけてくれる、
宮城が空いたところにパスをくれる、
桜木が落としてもリバウンドを拾ってくれる・・・。

この信頼が限界ギリギリの三井を支えている、と。
問題児軍団ですが、ここまでの物語あっての信頼という感じがして、
こみ上げて来るものがありますね。

追い上げ

更に奇跡とも言えるへばっている三井のパスカット、
それを宮城が速攻に持って行こうとして、
深津のインテンショナルファウルを誘うことに成功

※インテンショナルファウル=故意のファール
ペナルティとしてフリースロー2本に湘北ボールからスタート

これを決めきれば点差を10点にすることが出来ることに。
流れは完全に湘北に来ており、追い上げムード全開です。

宮城は得意ではないフリースローを2本とも決め
更に湘北ボール。

スクリーンをまた使い三井にパスを回すかとおもいきや、
スイッチして松本が赤木のマークに変わったのをいいことに
今度は赤木にパスして赤木がダンク

実にいいリズムで点差を10点にまで巻き返します。

桜木に河田をつける

このいいリズムを生み出したのは誰か、
それを理解した山王の堂本監督は
桜木を止めるために河田を桜木につけることに

"あの"桜木を河田がマークしていることが本当に
面白い、驚くべき状態ですね。

ベンチや応援席の面々も驚いていますし、
桜木自身も驚きながら喜んでいますが、
それ以上に読者が驚きと感嘆を感じるシーンでしょう。

今までの素人桜木を散々見てきてますし、
彼の成長を、実力を王者山王が認めた証でもありますからね。

主人公の成長の成果と言う意味では正に王道ですが、
ここに持って行くまでのこの過程、特に28巻における
桜木の動きあってこその結果が何より心を響かせる部分です。

鋼の筋肉で桜木を弾き返してリバウンドを取る河田、
速攻に持ち込もうとする沢北を止める流川、
沢北の出した河田へのパスを叩き落とす桜木。

この28巻最後の流れも次の展開への伏線として良く出来ている部分です。
まだまだ山王戦は盛り上がっていきます。

名台詞・名シーン

「シロートだからよ!」
(冒頭、チームメイトに向かって桜木が)

バスケかぶれの常識(ひっくり返せる点差ではない)は通用しない、
と言った後の一言ですね。

自分のことをシロートだと途中から認めてはいたものの、
自分で宣言したのはこれが初めてでしょう。

そして何より彼自身の決意の現れをチームメイトに示す
言い換えみたいな台詞で、前後の流れと合わせて印象的な台詞です。

ちなみにこの後の勝利への応援をしろとの桜木の台詞に対し、
山王の面々が立ち向かってくるものへの嬉しさを表した
笑みをこぼすシーン
もまた、大好きな場面です。

・・・・・・2年間も 待たせやがって・・・・・・
(中盤、赤木・三井・木暮の1年の頃の回想の後木暮が)

赤木がスクリーンをかけ、三井を活かす。
それは赤木と三井が1年の頃に言い争いになり、
上手く出来なかったことでもありました。

三井の復帰、この土壇場での赤木の目が覚めたこと、
そしてようやく二人のコンビプレー

赤木と一緒に湘北を支え、三井の復帰の際にも
熱い想いを語っていた木暮だからこそ、言えるこの台詞
個人的に一押しの場面です。

晴子、お前が見つけてきた変な男は
湘北に必要な男になったぞ・・・

(終盤、宮城のフリースローの際赤木が桜木を見ながら)

上と同様、散々桜木の変な行動に付き合い、
そして上達の手助けをしてきた赤木だからこそ映える台詞ですね。

20点以上開いた点差、絶望的な状況を巻き返しつつあるのは
桜木のリバウンド力、ガッツがあってこそ。

最初に桜木にリバウンドを教えた時の回想シーンが挟まれつつ、
この台詞が出てくる部分にまた感動を覚えます。
山王戦はほんと、感動しっぱなしですね。

総評

と言うわけで、桜木の活躍が特に光る巻でした。
桜木だけではなく、彼に触発され動かされる面々の描かれ方がまた心に来ます。

桜木と一緒になってチームを動かしたのは宮城、
魚住のおかげもあって目が覚め、三井を生かした赤木、
チームメイトの信頼によって支えられ、3Pを決める三井。

本当に良いチームだと思わせられる部分でもありますね。

そして次はここまで沢北に押さえられてきた流川の出番です。
29巻は桜木に次いで流川の成長が見える巻です。

沢北の凄さと相まってまだまだ盛り上がっていきます。

続き「山王戦・エース対決 29巻の感想やレビュー」はこちら

 

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