SLAM DUNK(スラムダンク)山王戦・前半戦 26巻の感想やレビュー

[著:がく(副管理人)]

スラムダンクレビューその11、湘北対山王戦の前半戦の内容です。
単行本における26巻の内容となります。

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あらすじ・概要

試合前の緊張は乗り越え、盤石の体制でついに試合に臨む湘北。

まずは宮城と桜木による奇襲、
次は三井にボールを集め3Pで攻めるなど、
安西先生の示した策が上手く行く。

相手のエース沢北もイマイチ調子が乗らず、
湘北ペースで進む中、山王ベンチから大男が交代で現れる。

彼の名は河田美紀男、センター河田の弟で
2m10cmの大男だった・・・。

と言うわけで遂に山王との試合が始まります。
王者山王との試合、安西先生も最初からかなり動き、
初手から作戦を考えて湘北にペースを握らせて行きます。

しかしそこは山王、きっちりと取り返し点差は開かず。
そんな中投入された美紀男と桜木の勝負が前半戦の一つの山場でしょう。

他にも序盤の三井、沢北にやられてすぐにやり返す流川、
3年で山王キャプテンの深津相手に互角の勝負を見せる宮城、
と見どころは他にも多く、熱い試合が前半から見られます。

尚、前半戦の内容は正確には25巻のラスト2話から
26巻のラスト1話以外となっています。

奇襲と初手

試合開始直後にペースを掴む為、安西先生は奇襲と初手を指示します。
山王戦は特に安西先生の指示がかなり飛ぶのも、
読んでいて面白いポイントの一つでしょう。

奇襲

これは宮城と桜木によるアリウープを狙うというもの。
山王にいつもと違うぞ?と思わせるのが狙いだとか。

ここのアリウープを指示する安西先生がまたいいですね。
おやちょっと違う」「あれ違うぞ」の積み重ねが土壇場で活きるとのこと。
安西先生が彼らにかけるもの、試合にかける思いが伝わります。

しかしそこは山王のディフェンス、簡単にアリウープのパスなど出せないと
思っている矢先に、宮城の後ろからドリブルをスティール。

速攻をかけようとする山王に対し、宮城が逆に相手のドリブルをスティール、
早い流れの中で今度こそとばかりに奇襲をしかけます

アリウープのパスに対し山王の野辺が阻止に来るものの、
桜木がその後ろから野辺を超える跳躍をし、アリウープを決めてしまいます。


この奇襲、至るまでに既に山王の怖さが分かるのが面白いですね。
攻めるようなディフェンス、カットに対し一瞬で上がりだす面々、
取られたらスグに切り替えてディフェンスに戻る面々。

山王の地味ながら強さを支える部分が序盤からキッチリ見えます。

また奇襲は成功した本人達が一番驚いてるのも面白いところです。
実際マグレに近いものだったのでしょうが、
それを起こさないと勝てないレベルの相手と言えるのでしょう。

初手の三井

豊玉戦の活躍から考えて、赤木と流川は厚いマークが予想される、
それを鑑みて安西先生が出した作戦は初手は三井でいくこと。

それが功を奏し、三井の調子が良かったのもあり、3連続で3Pを決めます。
しかし相手は山王、キッチリ自身のオフェンスで点を決めてきます。

更に三井対策で投入されたスッポンディフェンスの一之倉が張り付き、
シュートを打たせないように激しい当たりを見せます。

ですが三井も流石のバスケセンスで、一之倉を抜いてかわすと
シュートと見せかけ河田を誘い、赤木にパス。
赤木はゴリラダンクを決め、いいペースで点を取ることに成功。

その後は一之倉がボールにすら触らせないような張り付きを見せ、
三井にボールを集めること自体が困難になります。


この初手を三井で行くと言う安西先生の見抜き方が凄いですね。
相手がわざわざディフェンスのスペシャリストを三井につけてくる中で、
あえて、その強烈なマークに晒される三井をキーマンにすることが。

安西先生に大役を任されて、三井が燃えないわけがないですし、
そういう意味でもお見事な采配だと思います。
勿論、キッチリと仕事をこなす三井も流石です。

沢北と流川

沢北のブロックで偶然生まれた、桜木のガンメンシュートを「狙ってやった」と
言う宮城と桜木に対し、ちょっと信じかけた沢北が
ドアホウ」と流川に言われ、少しカチンとします。

それがキッカケとなったのか、ついに沢北と流川の1on1が。
沢北があっと言う間のカットインで切れ込み点を入れるも、
流川も同様に切り込んで入れ返します。

ここから熾烈な勝負が始まるかと思われましたが、
沢北がぼーっとしてる間にパスミス、ワンマン速攻を阻止しようとして
ファール、と失態を見せ、一旦ベンチへ引き下がることに。

湘北も流川を温存、代わりに木暮が出場。
お互いエースを下げる策に出ます。
沢北の活躍は後半までお預けですね。

しかし安西先生はほんと、山王戦は勝負の切り替えが早いです。
やはり昔の血が騒ぐのでしょうか。

更に山王は野辺を下げ、ついに美紀男を投入するのでした。

美紀男と桜木

長身大柄の美紀男はその巨体を活かしてゴール下まで相手を押しこみ、
そのままゴール下のシュートを決める、というものでした。
桜木もその圧力に押し込まれ、まずはシュートを許してしまいます。

桜木も対抗してタックルをかますも、こちらは当然オフェンスファール。
しかしイマイチ流れに乗りきれない山王がタイムアウトを取るのでした。

局地戦

タイムアウトで山王が指示したのは、美紀男を使って攻めるということでした。
美紀男のパワーで押し込んでのゴール下を主軸にする戦法ですね。
山王の堂本監督はこの試合で美紀男に自信と経験をつけさせたかったのです。

勝負師安西先生が突くのはまさにその一点でした。
実力で山王に勝つのは至難の業でも勝てるポイントで勝負する事は出来る、と。
その局地戦のポイントとして示したのが桜木だったのです。

しかし桜木はオフェンス時はスリ足でトラベリングを取られ、
ディフェンス時はまた押し込まれ、結局上手くいかず。

そんな桜木に声をかけたのは赤木で、
ディフェンスのアドバイス(腰を落とせ)と
パワーでも負けるな、と激励します。

ここのアドバイスは赤木がするというのがいいですね。
三井が桜木に言い寄ろうとするの静止し、
桜木に伝わるような言い方で上手く伝えますし。

付き合いの長くなってきた2人ですし、
赤木なりに桜木を信頼してきた証が感じられてニヤリとします。

桜木の開花

赤木に言われたことを守り、今度は押されない桜木。
美紀男の圧力にも持ちこたえ、ゴール下にいかずに踏みとどまります。
さらに桜木は美紀男がゴール下しか入らない事を看破。

守りきった桜木は、赤木に「今度はパワーだけでないところを見せてやれ」と
言われ、ノリにノリます。

試合前に練習してた、シュートフェイクからの合宿シュートで、
キッチリ点を取る桜木。

先ほど看破した美紀男はゴール下でしか入らないというのが事実で、
動かない桜木に美紀男はタジタジ。

オフェンスでも素早い動きで抜き去り、この勝負は桜木がしっかり勝負を収め、
あの山王に2点リードしたまま前半戦を終えます。

海南やベンチ・応援席の声を借りれば、
あれが桜木か!?また上手くなってる!
花道 絶対成長したぜ!!」とのこと。

まさにその通り、桜木の成長と身体的なポテンシャルが良く分かるシーンです。
210メートルの巨体にも押され負けないパワーと、
バスケの選手としてしっかり成長した証。

安西先生の言ってた「桜木くんも今や湘北の武器の一つ」という言葉も
納得出来るプレイですね。

名台詞・名シーン

「同じ2点だピョン」
(25巻後半、開幕の奇襲のアリウープが成功後に、深津が点を入れ返して)

山王キャプテン深津の怖さがジワリと伝わる台詞ですね。

アリウープはマグレとは言え、超高校級のプレイなのは間違いありません。
しかしそれに動じない、冷静沈着な男が山王のキャプテンでかつ、
司令塔である深津なのです。

この嫌らしいとも言える彼の冷静さは
今回の試合でもちょくちょく見受けられます。
さすが王者山王を率いる男、と言ったところでしょう。


三井にガッツポーズを送る安西先生と応える三井
(26巻序盤、一之倉を抜き赤木へのアシストをした三井に対して)

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これは個人的に好きなシーンの一つです

先述の通り、初手を大任された三井がしっかりその役目をこなし、
それを嬉しそうによくやったと言わんばかりのガッツポーズを送る安西先生。
ひしひしと感じるようにガッツポーズを送り返す三井。

言葉ではなくとも、そこある信頼関係が伝わってくる一幕です。

 

「ぬ・・・あやまるな、丸男」「勝負じゃねーかよ」
(26巻後半、桜木を吹き飛ばしてしまい謝る美紀男に対して桜木が)

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あの問題児であった桜木がごく自然にこういう言葉を吐くようになった
それだけで感慨深いものがあります。
バスケットに熱中している証拠でしょう。

スポーツマンシップなんて言葉がありますが、
本当にそのスポーツを好きでプレイしていれば、
相手に対する敬意は自ずと芽生えてくるものだと私は思います。

それを桜木らしい感覚で、自然に体現している、そんな一幕でしょう。
こういったお互いに相手を尊敬しあうといった部分は
山王戦通して描かれています

総評

三井と桜木の活躍が光る前半戦でしたね。
流川と沢北、赤木と河田など、後半戦への布石とも取れる勝負も
勿論挿入されていますが。

特に桜木の成長に関しては、美紀男を通して如実に描かれていました。
技術だけでなく、精神面からも成長を感じさせるプレイでしたし。
本当に彼はこの個性的な面子の中でよく主人公してると思います。

さて、分量的な意味では意外と早い消化だった前半戦。
ですが、山王戦はここからが本番です。
それは後半戦が残り5巻分で描かれている事からも分かるでしょう。

次回は怒涛の後半戦開幕から、桜木の再出場辺りまでを書く予定です。

⇒続き「山王戦・後半戦開始~桜木再出場まで」はこちら

 

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