四月は君の嘘 5巻の感想やレビュー

[著:がく(副管理人)]

四月は君の嘘 5巻の感想やレビューです。
公正のコンクールが今回で一区切りします。
相変わらずの演奏描写と公正の青春っぷりが気持ちいい巻でした。

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概要

宮園かをりに半ば無理やり
コンクール出場を決められた主人公、有馬公正。

そこでは公正出場の話を聞きつけた、
小学生時代の公正のライバルと言える
相座武士と井川絵美が待ち受けていた。

公正の出場に感化され、最高の演奏を披露する2人。

公正の出番も訪れ、出だしは昔ながらの正確な演奏を見せるが、
母の幻影が浮かび音が聞こえなくなる公正だった・・・。

と言うわけで公正の演奏が佳境を迎えるところから5巻は始まります。

音が聞こえなくなるいつもの症状に見舞われる公正が、
この逆境を如何に打破するか、と言うのが前半の読みどころですね。

コンクールが終わった後もまた、次回への準備が徐々に進み、
次への期待感も膨らみます

また、公正の青々しいまでの青春っぷり
読んでて清々しい気持ちにさせてくれる巻でもあります。

ちなみに公正が演奏した2曲は以下です。
今回も公式の方でYouTubeに動画が用意されていたので紹介しておきます。

公正の演奏

今回は全体の約半分程が公正の2曲目(上記のショパンエチュード)の
演奏に使われています。
前半から演奏なので、ネタバレなども含まれますのでご注意を。

音の聞こえない演奏

最初は正確に弾けていた公正でしたが、
母の影が脳裏に浮かんで以降、いつもの様に音が聞こえなくなります。
(詳しくは4巻感想の最後の方に記載)

何とか持ちこたえようとする公正ですが、
母の影がこれは罰だと言ってから、演奏から緊張感すら失われていきます。

徐々に力が抜け、演奏をやめてしまいそうな雰囲気が漂う会場。
その時、公正は頭上に光る照明を見て、
かをりがコンクール前に言っていたことを思い出します。

「星は君の上に輝くよ」

エントリー番号がきらきら星演奏曲の番号と同じだったからと
かをりが言っていた台詞です。

これを思い出した公正は演奏を一度止めるものの、
一緒にステージに立った時のかをりを思い出し、
「アゲイン」とつぶやいて再び演奏を始めるのでした。

音が色を変える

演奏を再開したものの、ガンガンと叩きつけるような演奏は変わらず。
しかしここで公正は再びかをりの言っていたことを思い出します。

どんなイメージで演奏したいか、誰の為にこの曲を弾きたいか・・・。
それを思い出した公正は「君(かをり)の為に弾こう」と思い直します。

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再び演奏が変わる事に驚きを隠せない会場の人々。
演奏に公正のイメージが乗り、それに埋没していくような感覚
聞いている人達は味わいます。

一方公正は今までのことを思い出しながら、
かをりが言ってきたこと、彼女と過ごした時間を思い出しながら、
演奏に自分の想いを乗せます。

その想いは「ありがとう」

一途な想いは演奏に乗り、演奏の中にかをりがいること、
公正が居る事を観客にも思わせるのでした。

演奏部分の感想

相変わらずの素晴らしい演奏描写でした。
言葉の挿入の仕方が上手く、その演奏が本当にどんな雰囲気なのかが
マンガの中から伝わるのは毎度スゴイなと思わされます。

最初の鬼気迫るようにガンガンと音を鳴らす様から
徐々に力が抜け、演奏から緊張感が失われる様、
そして演奏に色がつき始める様。

それぞれに演奏のらしさが擬音や表情から伝わり
それが更に観客や公正の言葉で後押しされこちらにも
伝わるような感覚を受けます。

また、かをりへの感謝の想いを乗せた演奏
読んでてもグッと来る部分ですね。

公正をこの舞台に立たせてくれたのも彼女ですし、
再び演奏をするきっかけをくれたのも彼女で、
その回想を交えた演奏は今までを思い出す意味でも良かったです。

演奏を終えた公正の満足そうな表情と
母の幻影が微かに笑ったような描写も、
公正が変わった事を印象付ける部分で好きな表現でした。

演奏が終わって

演奏が終わった公正は色んな人に迎えられます。
主に二つのシーンが挿入されますね。

母の友人との再会

演奏を終えた公正の前に姿を現したのは
母の友人でもあった、日本屈指のピアニストである瀬戸紘子でした。

公正が天才だと言い、彼をピアニストに育てるように
公正母に言ったのは彼女だったと、ここの回想で明かされたりもします。

自分を待っていた女の子2人(椿とかをり)を見て
瀬戸さんにどっちの子が好きなの?と聞かれる公正。
ピアノがあなたが好きだと歌っていたと言われます。

これは感謝であって、そんな気持ちではないと言う公正。
なぜなら彼女は友達を好きな女の子で、自分は友人A役だからと

ここら辺の公正の気持ちは今後どう変わっていくか、
かなり見ものになりそうですね。

ちょっと青い感じが見え隠れして、このマンガで好きなところなので、
今後の展開も実に楽しみです。

ライバル達との対面

彼をライバル視し、演奏も素晴らしいものを披露した
相座武士と井川絵美も演奏後、公正と対面します。

井川絵美の方は色を変えた演奏に、
昔見た公正の演奏を見出し、少し満足気な表情を見せたりしています。

逆に相座武士は正確無比、ヒューマンメトロノームと呼ばれていた頃の公正に
ヒーローを見出していたので、ボロボロの演奏をした公正に失望の色を隠せず、
何故あんな演奏をしたのか、と問いただします。

それに対し「それが今のありったけの僕だ」と答える公正。
モーツァルトが旅をしろと言ったことを出し、
「僕らはまだ旅の途上に居る」と言い放ちます。

このシーンも公正が自分の道を、音楽の道を覚悟した事
再確認させてくれる描写ですね。

公正が変わった事を驚く武志と、
(弾く理由を)見つけたんだとちょっと嬉しそうな絵美の
対比も公正の変化をより際立たせます。

またこの後演奏を終えて様々な感情を抱き、
思わず叫びながら走りだしてしまう描写
青春を感じられて好きな部分です。

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溢れる感情から叫んで走り出す公正。青春だなぁ。

次のステージへ

公正と瀬戸さん

コンクールの後、公正宅に瀬戸さんが来訪します。

コンクール直後、ぶっ倒れるまでピアノを弾いていた公正に
呆れつつも「男の子してる」と嬉しそうな瀬戸さん。

何故演奏を再開したのかを問い、
変なヴァイオリニスト(かをり)に会ったこと、
そして自分は変なピアニストになりたいと思った事を告げる公正。

なら後見人は自分しか居ないと言う瀬戸さんに対し、
公正はピアノを教えてもらえるよう頭をさげます

これも今後に繋がりそうな部分でワクワクしますね。
ついに公正にも指導者がつきますし、
公正の演奏がどう伸びるかも楽しみです。

公正とかをり

コンクール後、かをりの元に
ガラコンサートにかをりと公正を招待する手紙が届きます。

彼女達が出ていたコンクールの優勝者や上位入賞者の活躍を願って
企画されたコンサートだそうで。

出る事を決めた2人は演奏するのを
クライスラーの「愛の悲しみ」という曲に決め、音合わせを始めます。

また公正はその帰り道でコンクールがどうだったかを聞かれ、
皆個人的な想いに支えられて演奏をしていること、
自分の演奏には君がいたことを告げます。

それを受け、
「僕がいつもそばに居て助けてあげられるとは限らないんだよ」
とのチャーリー・ブラウンの引用をつぶやくかをり。

といったとろこで5巻は幕を閉じます。

最後の引用が実に意味深です。

タイトル名といい、ちょくちょく挿入される
かをりが病気を抱えてそうな描写と言い、
この先どうなるかが何となく予想出来てしまいます。

今後注目していきたい部分の一つですね。

また、公正が自分の道を歩き出した事に、
かをりとの演奏をすることに複雑な想いを抱いている
公正の幼馴染の椿が今後どう絡むかも気になるところです。

総評

演奏描写は毎度のことながら、
そこから溢れ出る色に感嘆します。

私が読んだ事がある音楽系のマンガでも特に
演奏部分への力の入れようが凄いと思います。

また、そこに挿入される公正の想いや
かをりとの関係、椿の揺れる想いなど
彼らの青春模様がもう一つの魅力ですね。

ベタと言えばベタですが、
音楽という題材を使って上手く描かれている部分で
読んでて実に清々しい気持ちにさせてくれます。

瀬戸さんという公正の先生となる人物の登場、
かをりの病気など、今後の展開も実に楽しみなマンガですね。

 

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